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商品詳細
【超発見・真筆保証】伊藤若冲「芦蟹図」・超稀少・世界2例目の若冲「蟹図」・完全合致基準印・筋目描・極札・出展依頼重要本物作出します


画像
詳細説明
落札価格 : 960,000円
入札件数 : 588
開始価格 : 100 円
入札単位 : 1,000 円
開始日時 : 1月 14日 8時 39分
終了日時 : 1月 20日 3時 45分
出品者 : japanartproject
出品者の評価 
出品地域 : 大阪府
オークションID : b440943711
Yahoo!かんたん決済 : 対応
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再出品経緯のご説明 前回、いたずら入札がありましたため、この度再出品させて頂きます。前回、多数のご入札を頂き有難う御座いました。大変お手数で恐縮ですが事情をご理解のうえ、改めましてご入札くださいませ。
新しい情報も追加しておりますので、画像とその説明をよくご覧ください。

出品物の説明 紙本肉筆・最早市場には出ないご覧の通りの本物の若冲作品・籐汝鈞白文方印の右端下、若冲居士朱文円印の円周部右端欠損の状況から明和二、三(1765、1766)年以降の作品と判明します(『生誕300年記念 若冲展』図録・2016)。調査中の旧大名家より発見・江戸幕府公認の古筆鑑定書である「若冲極札」と共に発見されました。現在の若冲画ブームの状況から市場価格の急激な高騰と本出品作品の超稀少価値から市場推定価格1500万円ほどの作品と考えられます。

落款と若冲にしか描けない若冲特有の描画技法である事が判明した筋目描き(拡大画像参照)が蟹を描く際に使用されている描画状況を見れば一目瞭然ですが、一見して分かる若冲の本物をこの度特別に出品致します。研究費が底をついた為の超特別出品です。ヤフオクでは5年に1度ぐらいのペースでしか、本物の若冲は出ていません。美術史研究者の目から見ると鑑識に1〜2秒で全て贋作です。余程の事情がないと若冲作品が特別な物となった現在のご時世では本物は出ませんが、今回は研究費捻出の必要性の為、我々美術史家研究チームとしては崖から飛び降りる気持ちで出品いたしました。我々大学等学術研究機関所属の日本美術史研究チームでも現在、本出品作品のような本物の若冲画は彩色画調査依頼作品を含めて7作品しか所蔵しておりません。しかも本出品作品は世界で2もしくは3例しかない若冲真筆「蟹図」のうちの秘蔵の1例です。その稀少価値は計り知れません。落款の印章は図録などの印章と完全に一致する藤汝鈞白文方印と若冲居士朱文円印の若冲真筆に特有の所謂「基準二重印」ですが、コンピューター画面上で合わせたところ寸法、印影ともに完全に重なりました。当出品作品は若冲作品の中でも世界で2もしくは3例しかない若冲筆「蟹図」のうちの一点という事で、あるいは世界に一点しか存在しない「芦」と「蟹」というモチーフの組み合わせによる「芦蟹図」という事で、これまでの若冲展への出品を展示担当者から打診されて来た曰く付きの非常に特別な作品です。
本出品作品は元々は(六曲一双の)世界的にも例の寡少な金屏風作品の一部であるという特殊な事情である事によって、これまで長期に渡る調査・解析研究中であった為、出展をお断りせざるを得ない状況に有りました。(展観への出展は、2〜5年という美術史研究者による調査期間を既に終えており、さらに展観開催責任者(例えば、直近の河鍋暁斎美術館、サントリー美術館、兵庫県立美術館共催の河鍋暁斎展では河鍋暁斎美術館の暁斎のお孫さんである河鍋楠美さん)の3〜5年に及ぶ鑑識調査、出展リスト作成、作品の安全な輸送のための手配等が行われる事で初めて成立します。本出品作品は、直近の複数の伊藤若冲展までに、既に展観開催責任者の鑑識調査と出展作品リスト化を終えていましたが、当美術史研究チームによる屏風作品復元のための科学鑑識調査中であった為、展観への出展は見合わせて頂きました。この様に学芸員による主観的もしくは印象評価による鑑識と美術史研究者による科学鑑識の世界には必要な期間も含め相当な隔たりが有るため、時間的な問題によって、研究者サイドでは、科学鑑識などの研究を最優先して展観などへの出展が控えられる事は多々ございます。)
研究の理由は、本出品作品の周囲に金紙があり、裏打紙の特徴が三重になっていて、特に本紙に一番近い裏打紙が江戸時代中期の金屏風表具の特徴を備えていたため、現在世界で5例しか確認されていない若冲金屏風作品(「群鶏図押絵貼屏風」(細身美術館蔵)、「鶴図押絵貼屏風」(エツコ・ジョー・プライス コレクション)等いずれも若冲の代表的傑作とされています)に類する未知の若冲金屏風作品から(三重の裏打ち紙の最後に打たれた裏打ち紙が明治四十二年の官製戸籍紙である事から明治政府の貴族官僚によって最後の裏打ち紙が施され、明治期頃に切り取られた)、若冲画史上最高レベルの傑作と評価の高い若冲金屏風作品成立の解明のために非常に重要なる若冲真筆作品である事が確認されたからです。
現在確認されている若冲金屏風作品は、いずれも本出品作品と同様の藤汝鈞白文方印と若冲居士朱文円印の「基準二重印」が各本紙に捺されています。我々研究チームの調査では、その画題モチーフ等から有名かつ重大な大阪府・西福寺の旧襖六面に描かれた伊藤若冲真筆障壁画「蓮池図」のような「水棲動植物」を画題とした未発見の若冲金屏風作品から切り取られた、非常に重要かつ重大な伊藤若冲金屏風作品の一部が、この度発見されたものであり、これは若冲研究の観点からも世界的な大発見であると考えております。
若冲画史上、動植綵絵の「雪中鴛鴦図」「雪中遊禽図」「貝甲図」「群魚図」「諸魚図」「芦鵞図」「蓮池遊魚図」「池辺群虫図」そして若冲最晩年の寛政二年(1790)に若冲の到達した死生観の境地を描いたとされ、近年の研究の進展によって再評価著しい大傑作「蓮池図」(大阪府、西福寺蔵)水中や水辺の動植物を描いた作品は、いずれもレベルの高い傑作であるとされており、しかも水中や水辺といった若冲作品の数は多く「水」は、若冲にとって、(鶏同様)非常に重要な意味を持った画題、モチーフであった事が、再評価されるであろうと考えられます。若冲にとっての「水」の持つ意味合いは、「蓮池図」によって新たに考察された「死生観」の「死」の意味合いと、「水」=「死」との対比によって浮かび上がる躍動する動植物の「生」の持つ意味合いへの画境とモチーフといった存在への非常に根源的な「問い」の存在が改めて考えられます。本出品作品「芦蟹図」の「芦」は動植綵絵の「芦鵞図」の「芦」の図様と非常に近似しています。この事は非常に大きな発見であり研究成果でありますが、動植綵絵「芦鵞図」の成立は宝暦十一年(1761)であり、本出品作品「芦蟹図」は明和二、三年(1765、1766)以降の作品である事から、本出品作品「芦蟹図」は、動植綵絵製作半ばの「芦鵞図」以降に「水」=「死」という若冲作品における最大級のテーマ、モチーフである「死」と「生」の対比といった、おそらく若冲の禅思想の師である大典顕常の影響も考えられる禅的死生観という画境、画題の追求の延長線上にある、という事は充分に考えられます。
したがって、本出品作品「芦蟹図」の意味するところや若冲作品としての重要性は、非常に大きなものなのであると考えます。 そして、上記のような非常に重要な禅思想的死生観という中心的画題を追求している「芦蟹図」が、六曲一双押絵貼金屏風の一枚である事から、本出品作品「芦蟹図」を含む六曲一双押絵貼金屏風は、「水棲動植物図押絵貼屏風」とでも呼ぶべき若冲画研究における最大級の重要性を持った屏風作品であると考えられるものであったであろうと思われます。
今後、上記のような「水棲動植物図押絵貼屏風」の存在確認が為される事も予想され、我々の研究チームでは、そのような幻の若冲作「水棲動植物図押絵貼屏風」とは、西福寺障壁画「蓮池図」によって解明されたような、若冲が生涯をかけて追求した画題画境であった「禅思想的死生観」までが表現されたものと考えております。
ただ、そのような若冲作「水棲動植物図押絵貼屏風」が未だ姿を現さない現在においては、我々は、本出品作品「芦蟹図」という唯一の手がかりによって上記のような若冲の禅思想的画題画境について研究を深めざるを得ないのです。

【日本美術史学会の重鎮T先生の感想をいただきました】

今回、特別出品という事で日本美術史学会の重鎮で権威のT先生に本出品作品「芦蟹図」を実見していただきました。
ネットオークションに出品するという事は、伏せた上でご感想をいただきました。
まず、真贋については、文句の付けようのない若冲真作である点、しかもその真作が「蟹図」という非常に珍しい作品である点については驚きながら、大変な発見が為されたという事で驚いておられました。但し、若冲「蟹図」として世界で2例目の発見であるという我々の見解については、「蟹図」と「猿蟹図」に続く3例目の「蟹図」の発見になるのではないか?というご見解をご教示頂きました。確かに同じ墨画で「猿蟹図」が現認されており、2000年の若冲没後200年記念の京都国立博物館の若冲展でも展覧された作品としてあります。蟹のフォルムも当該「猿蟹図」の方が本出品作「芦蟹図」の蟹のフォルムに近似しています。但し、「猿蟹図」は戯画的で、昔話の猿蟹合戦を連想させるもので、猿に踏みつけられた蟹は、水中の蟹を写生的に描いてはいない点で、だいぶ作風が違うため、その点については、2例目なのか3例目なのか視点によって、これは判断が分かれて来るであろう、とされましたが、いずれにせよ世界レベルで新たに若冲の「蟹図」という1、2例しか現認されていなかった極端に少ない画題の絵が発見された意義は大きく、さらにこれが屏風絵の一つであったという事は、魚介類など木村蒹葭堂のコレクションと結びつく屏風が存在していた証拠になるもので、それは動植綵絵のモチーフとも近い屏風で、動植綵絵の成立の謎に直結するものではないか、と述べられました。
一番驚いてご指摘されたのは、若冲特有の筋目描きが、これまで知られていた動植物の墨画(「亀図」「蛸図」「烏賊図」「菊図」)以外の動植物に用いられている、という事は大きな発見ではないか、という事で、しかも鶏の羽根や菊の花びらなどに用いられている筋目描きとは、大きな面積部分で用いられている、という事で、我々がこれまで確認している筋目描きとは、大きく進化した筋目描きになっていて、現時点で若冲がどのようにして、このような大きなサイズの筋目描きを描く事が出来たのか、従来の筋目描き論では説明出来ない未知の領域で、若冲現存作品で技法も含めて既知の「鶏図」「菊図」「烏賊図」「蛸図」の筋目描き以外の他の動植物墨画作品での若冲筋目描きの技術的なバリエーションを解明する作品としては世界的にも非常に重要な発見ではないか、と興奮気味に話されておりました。
確かに従来、若冲の筋目描き作品としては「鶏図」「菊図」での描法については、既に明らかになっておりますが、蟹の甲羅といった大きな面積で筋目描きが用いられているという報告例は少なく(「蛸図」「烏賊図」「蝦図」が近いのですが、これらと比べても本出品作「芦蟹図」の筋目描きの技法は長い単線である点など大きく異なる描法になっていて、どのようにしてこのような特殊な筋目描きが可能であったのかが、未だに解明されていません)、本出品作品「芦蟹図」が、世界的にも初の発見であり、その筋目描きの技法としても特にその甲羅部分については驚くべき未知の技法であるという意味で、本出品作「芦蟹図」の重要かつ稀少な価値について我々も再認識させられました。
そうなると、このレベルの作品になると、出来れば、研究者や博物館学芸員の方にご落札していただいた上で、研究が進捗するのが望ましいという気もいたしますが、オークションという性格上、それは無理な話なので、どなたにも落札権はございます。
今後、十年以上は世に出ない作品であると思いますので、また非常に良い作品ですので、この機会をお見逃しなく、仮表具も添付致しますが、大事に保存していただければ幸甚です。

【若冲画では超希少(現認3例)な「芦」という画題の意味と重大性】

本出品作「芦蟹図」に描かれた植物は、類例がなく、植物の種類が問題になりましたが、動植綵絵「芦鵞図」に描かれた「芦」が水墨画風でかつフォルムも一致している事から蟹の横に描かれた水辺もしくは水中の植物が若冲画としては「芦」である事がほぼ明らかになったのですが、この度再調査をしたところ、よりフォルムだけではなく色彩的にも酷似している用例は京都府の大光明寺に伝わる若冲作「芦花翡翠図」である事が確定的になりました。
両作が、どちらも水墨画作品であり、「芦鵞図」の場合は動植綵絵の彩色画である事からも、本出品作「芦蟹図」とより比較近似するのは、同じく水墨画の「芦花翡翠図」である事が判明するのです。同図は元々は相国寺の暁翠庵に奉納されたもので、相国寺とは、もちろん若冲の禅の師である大典顕常が住持した京都の相国寺であり、「芦花翡翠図」には大典顕常の漢詩が賛として記述されており、その内容は「芦花深処無人見 一片飛来棲止安」という七言律詩であり、禅思想的な有るがままの寂静の情景が絵のモチーフをそのまま語るように描かれているところから両若冲画の「芦花翡翠図」「芦蟹図」の「芦」にも禅的モチーフが込められている事が想定されます。大典の詩では「芦」は人の見る事の無い「深処」にあるとされていますが、その「深処」とは禅思想的には、日常の表層的な人事や自然の在り方からは窺い知ることの出来ない心の奥底の究極の根本心であって、所謂「悟りの境地」と同義です。そして、その心の「深処」とは、俗塵にまみれた世界から離れて、座禅などによって禅の境地に深く到達する事で初めて悟る事の可能なものです。
そうして見ると本出品作「芦蟹図」の風景は即自にイコール禅的な深い悟りの境地が描かれていると想定されます。さらに相国寺に奉納された「芦花翡翠図」の本紙サイズと「芦蟹図」の本紙サイズは、ほとんど同サイズなのです。
つまり、この二つの若冲画「芦蟹図」と「芦花翡翠図」は、印章の欠損の状態も含めて、ほぼ同時期に、禅思想による同モチーフによって描かれた共振する作品群である事が分かります。
ほぼ同時期、同サイズ、同画題である事からすると、この二つの若冲画は元々、同時期に相国寺に奉納された水墨画であり、両作とも、元々は同じ一つの六曲一双屏風に描かれた墨画であって、相国寺において、動植綵絵と共に、相国寺の伽藍を荘厳していた可能性まで出て来る。すなわち本出品作「芦蟹図」は「芦花翡翠図」と共に、動植綵絵あるいは、それ以上に若冲画の禅的モチーフを考察するのに欠かせない極めて重要な若冲画である事が浮かび上がって来るのです。
動植綵絵には元々、彩色画と共に相国寺伽藍の本尊を荘厳する水墨画群が作成奉納される予定であったことは大典顕常の刻した若冲居士伝などから明らかになっています。本作「芦蟹図」と「芦花翡翠図」を含む屏風画作品が、当初予定されていた動植綵絵に付随する水墨画作品であった可能性もあります。
いずれにせよ本出品作「芦蟹図」とは、若冲作品の中核に位置する重要性を持った作品である事は間違い有りません。

【サイズ】
紙本:91センチ×25.5センチ

【状態の区別】
特 上 中 下
☆ ★ ☆ ☆

【伊藤若冲(いとう じゃくちゅう、1716-1800)】
近世日本の画家の一人。江戸時代中期の京にて活躍した絵師。名は汝鈞(じょきん)、字は景和(けいわ)。初めは春教(しゅんきょう)と号したという記事があるが、その使用例は見出されていない。斗米庵(とべいあん)、米斗翁(べいとおう)、心遠館(しんえんかん)、錦街居士とも号す。
写実と想像を巧みに融合させた「奇想の画家」として曾我蕭白、長沢芦雪と並び称せられる。
(引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E8%97%A4%E8%8B%A5%E5%86%B2)

【注意事項】
当方では、出品する前に鑑定機関にかけておらず、落款や作風に従って、タイトルに作家名などをつけています。特に古画につきましては、公式鑑定機関が現在どこにも存在しておりません。各自、価値判断の上、状態(オレ・シミ・イタミ・その他)を画像でよく御確認いただき、ご入札くださいますよう、よろしくお願いいたします。

落札後のご連絡は、落札日より24時間以内、ご入金手続きはYahoo!かんたん決済ルール範囲内で迅速にお願い致します。

(2020年 1月 15日 3時 47分 追加)
再出品に際しましての追加説明 再出品に際しまして、前回は急遽出品が決まったため、撮影が粗く不鮮明な写真が多かったため、写真は一部を除いて全て取り直し、またレイアウトを整理し直し、説明の不充分であった箇所につきましては、説明文を追加致しました。
但し、本出品作「芦蟹図」は、若冲の禅思想のまさに「精髄」が表現されている非常に重要な作品なわけですが、その辺りの説明が充分でないかも知れません。
今後、他の発見も含めて追記出来れば追記欄に追加する可能性もございますので、注意しておいていただければ幸甚です。
いずれにしましても博物館・美術館級の作品であるだけに、本出品作の若冲画史上の重要性とその稀少価値をご理解して頂ける方にご入札して頂ければ幸甚に存じます。
またこのような重大作の出品では、イタズラ入札がどうしても多く発生するのですが、それを回避するためにも、評価が極端に少ない方やご新規の方、支払いがYahoo!かんたん決済の期日をオーバーする方は、事前にご相談頂ければと思います。

(2020年 1月 19日 22時 20分 追加)
有名考案禅語「白馬入芦花」と本出品作「芦蟹図」との関係ー若冲画と瞑想 「碧巌録」第十三則に非常に有名で、江戸期の禅問答にも頻繁に使用された「白馬入芦花」という著名な禅の考案が有る。本出品作「芦蟹図」は芦花と動物をモチーフとする点で、「芦花翡翠図」あるいは動植綵絵の「芦鵞図」と共に、この非常に有名な禅語「白馬入芦花」との関係が問題となる。若冲は当代の高名な禅僧である大典顕常を禅の師とし、晩年は禅寺の黄檗宗の寺で過ごし、有名な動植綵絵は京都五山(禅宗)の一角で大典顕常を迎えた相国寺に奉納した、その一生を禅と画業に捧げた立派な禅門徒であるからである。若冲居士の「居士」とは、在家の禅修行者という意味である。
当時の幕府公認禅宗主流派は臨済宗であったが曹洞宗が道元以来の「只管打坐」ただひたすら座禅や行住坐臥においても禅という行為を重視するのに対して、臨済宗では、考案と呼ばれる禅問答のスタイルを重視した。
そして、大典顕常の日録にも「碧巌録」が登場する事から、「碧巌録」中の有名な考案「白馬入芦花」が若冲に示されたのは、間違いないところであろう。
若冲は、つまり「碧巌録」中の有名な考案「白馬入芦花」を禅師の大典より示され、そこに内包される禅的境地を画境として模索したのが、上掲の3作品「芦蟹図(芦花蟹図)」「芦花翡翠図」「芦鵞図」であったと思われる。
「白馬入芦花」とは、白馬と芦花とは違うものでありつつ、深い禅的境地に没入していくと、白い馬と白い芦花がやがて渾然一体となり、ついには深い禅的境地の中で同じ白色のメタファーを媒介として「同一化」してしまう事を暗黙の内に指し示している。その境地に没入した、その時、世界は白一色で、白、白、白、ただそれだけで他事は何にもなくなります。
つまり、禅思想における「区別即同一」「同一即区別」という非常に深い禅境を、たった五文字の「禅語」「考案」によって表現しているのである。
その禅の境地においては、区別される異なる物がそのまま同一物、等しく同じであると感得される。「差異=同等」の境地です。白馬と芦花は確かに違うが、深い悟りの境地に到達した時、最早その「差異」は消失し、二物は「同じもの」であると了悟する。
今風に言えば両者は同一世界における同根の同一物なのである、と言えば少し分かりやすいでしょうか?
同じ意味の禅語に「雪、覆芦花」があります。「雪」と「芦花」はもちろん別の物ですが、あらゆる夾雑物を空じ尽くして白一色の境地に達すれば同じです。
この場合の「白」は、煩悩や雑事で、いっぱいになった頭を「無」にするための比喩として使われているのです。
同様な禅語に「父母未生以前」や「天地未分以前」等がありますが、どちらも「父母」や「天地」という相対的認識が生じる以前の絶対的境地を表現した言葉です。
このように「芦花」「芦」は臨済禅の世界では、「空」や「無」の絶対境地に辿り着くためのヒントとして非常にポピュラーなモチーフとして使われました。
若冲は、白隠と並び称される臨済僧大典顕常によって、この臨済禅の考案が示され、それを若冲は自身の画業画境によって追求したのでしょう。
それを裏付けるのが、若冲「芦花翡翠図」に付された大典顕常の画賛です。
芦花深処無人見 一片飛来按心安(大典顕常賛)
「芦花」は、「深処」とまり心の深い処にあるので、人は見る事が出来ない。しかし、その「芦花」の一枚でも空中に舞い上がって来れば「心安(安心)」の境地に達する事が出来るであろうと大典は賛によって説く。
大典はこの賛によって、人間の心の最も深い処、凡夫の気付かない処を語り、その比喩が「芦花」であるとする。
これは、大典が若冲に「白馬入芦花」などの「芦花」の考案を提示し、その解答を七言律詩の賛という形で示したものであろう。
動植綵絵「芦鵞図」は、「芦」「芦花」の部分だけが墨画調になっているので、従来その不思議なミスマッチが問題視されていたが、「白馬入芦花」という禅の考案を考慮すれば、何も不思議ではなく「差異=同等」という禅の題目を画題の上で追求しただけである。若冲は「白馬」の代わりに白い鵞鳥をモチーフとしたのだ。
本出品作「芦蟹図(芦花蟹図」は、こうした禅語、考案の系譜の中で描かれたわけで、「蟹」と「芦(芦花)」が違うものであるという区別的認識から解き放たれて「同じ世界」であると感得する「差異=同一」という禅的絶対境地を表現したものに他ならない。
密教僧が両外曼荼羅の前で瞑想して悟りを開くように、若冲は密教における曼荼羅を、自らの画題に置き換えて、沈思黙考して、「白馬入芦花」のような臨済禅の禅的考案を感得するかのように描いたのであろう。
出品者は若冲の墨画作品の中には、そのような若冲による熾烈な禅の追求が見られるものが、幾つか見られるものと考えている。
但し、その数は過少で特定の時期に限定される。おそらく晩年期に自宅を火事で消失した前後の数?十数作品程度であろう(例えば「果蔬菜涅槃図」等)。本出品作「芦蟹図」は、その中の一つとして非常に稀少で重大な意味を担っている。
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